2016年4月11日月曜日

魅惑のアルンアルン一気見せ その②


記事が長くなったので
ふたつに分けています。

「その①」を先にどうぞ。
今ご覧になっているこのページは「その②」です。

幾何学模様(や曲線の模様)と並んで
偶像崇拝禁止のイスラム教ならではの装飾は「文字」
カリグラフィーで美しく模様のように描いたりすることもあるそうですが
ここのモスクは比較的現代的な様式だと思われます。
文字(アラビア文字)まで直線 で描いていて、
一見するとただのパターンだと思って見過ごしてしまいますが
よく見るとひとつずつ違うんです。

間違い探しみたい。
下と比べてみると微妙に違うの、分かります?

これはたぶんアラビックを
崩してる(むしろ整えているというか……)
デザインだと思うんですが、どうでしょう?

バンドンの市長であり、
私の通っていた大学(ITB/バンドン工科大学)の建築学科の卒業生でもある
Ridwan Kamil(リドワン・カミル)氏が設計した
モスク「Masjid Al-Irsyad(マスジッド アル・イルシャド)」も
外観はアラビア文字からデザインされた模様で覆われています。

美術館みたいな見た目ですね。

画像出典 : https://id.wikipedia.org/wiki/Masjid_Al-Irsyad

中の部屋の構造としては、
調べてもちょっと名前が分からなかったのと、
すべてのモスクがそうではないと思うのですが、
入ってすぐに、横に長い通路があり(そこにクロークなどがある)
すぐ目の前のドアをあけると大きな部屋がある。
しばらく歩くと扉があって、その先にもっと大きくて天井の高い部屋があります。
どちらもグリッドが引かれていることからわかるように
イスラム教徒がそこで礼拝を行う場所であることは確かなのですが、
間に仕切りがあるのは何故なのか、
それは恐らくイスラム建築の構造に理由があるのかもしれません。

まず、入り口を入ってすぐの部屋。

中から入り口に向けて撮影したもの。
天井に、丸いところありますよね。
写真だとフラットに見えますが、
真ん中の光が前後左右に漏れる方向を見てもらうと分かるのですが、
これ大きく内側に湾曲してるんです。

そうすると何かというと、
真下に立って普通の音量で会話をしただけでも
部屋中に ぶわわわぁぁぁぁっ と声が広がります。
体育館で「あー!」って言うと壁に跳ね返って聞こえる、
あのコダマのような反響の仕方ではなく、
徐々に徐々に声に広がりがでるような感じで聞こえるんですね。
そうすると、この場所に居ても
(一番置くの部屋で説教をするハティーブからは200mくらい離れた場所)
声が跳ね返って聞こえてくるんじゃないかと予想します。

その、ハティーブがいる一番奥の部屋の天井も
ドーム型になっていましたね。


外から見ると、
"モチを真上から爪楊枝で挿して、すーっと引き抜いた時にぎゅうひがくっついてきた"
みたいなドーム型の形状は、この内部構造があるからだとわかります。

さて、目線を下に戻すと、
 ここが、ハティーブとか、
イマーム(アザーンを行う人)が立つ
建物内の一番正面の部分につきあたります。

正面一番奥、ということは
これを正面とした方向に
イスラム教徒がお祈りを捧げるギブラということです。


もちろん、私がお邪魔したときは
礼拝の時ではないので教徒しかいませんでしたが、
円弧の真下にある階段つきの小さなものがあります。
これが「説教壇」で、ここに登ってイマームが説教するみたいです。

ここでの説教が、ドーム構造が助ける形で
壮大な響きの声となり、この部屋全体に響き、
そして入り口に近い手前の部屋まで響くわけですね。
私のカメラではこのスケール感、伝わりませんが
建物入り口入ってから、この奥の説教壇のある場所まで
成人が普通の速度で歩いて1分以上はかかりますので、
建物内だけで、Sajadah(サジャダ)を1人1枚しっかり敷いても
1万人以上は軽く入るでしょう。

でもね、
私気づいちゃったんですよね。

緑の光が真ん中で四角く遮られていますよね。
その四角の真下、緑の光が始まっているところ、
よーーーーく見て下さい。

エアコンですよ、エアコン。
快適〜!

というわけで、
魅惑のアルンアルン編でした。

現地に居た時は調べようとも思わなかったけれど、
ちゃんと調べてみると面白いことばかりでした。

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3年ぶりです

ご無沙汰しております、Kuroです。 アーカイブとしてしか機能していないこのサイトですが、 それでもある程度の方が見てくださっているようで有難い限りです。 インドネシア在住時の2年半の間は、ほぼ毎日更新しておりましたが 日本での暮らしに忙殺されて、 書こう書こうと...