インドネシア・バンドンには美容院がほとんどありません。
男も女も、町の小さな床屋で切るのが一般的。
特徴的なのは、男と女の床屋が、それぞれ分かれているという事。
ジルバップを巻いている女性は、家族でない男の人の前でジルバップを脱ぐ事は出来ないので
当然、ジルバップをしている女性限定の床屋というのもあります。
イスラム教圏ならではのシステムといったところでしょうか。
床屋の料金は大体500円以下ですが
木の下に椅子を置いて切ってもらうと50円。
|
道具さえあれば
屋外で床屋営業します |
床屋の技術というのは
まあそれはひどいもの。
友達が髪の毛を切ってくると、皆決まって「アトム」か「かりあげクン」になっているので
一体どうしてこんな状態になるのか
大層不思議に思っていました。
タシクマラヤはシトゥ・ベエットに行った時
床屋の主が店を空けていたので
中の様子をこっそり見学。
|
私にはこのただひとつだけ置かれた椅子が
絞首刑台
のように見える |
そこで、みんな等しく “変な髪型” になるワケがよく分かりました。
ここはどうやら男の人専門の床屋。
壁には髪型見本表が貼ってありました。
私が見て分かるのは
ネイマール、ロナウド、
大分昔のディカプリオにザック・エフロン。
サッカー詳しくないのですが
サッカー選手が多めのような気がします。
それぞれの写真は番号がふってあるので
これを見て
「A3でお願いします」
と言うのでしょう。
なるほど、だから皆こぞって同じ髪型なのね。
日本でも
「聖子ちゃんカット」が流行った時代は
皆同じ髪型だったと聞きますので
その時代は日本も同じ様に、流行の髪型をただ真似て
その人の髪質やくせなんて問題視しなかったんじゃないかな。
私も
日本への帰国前に思い出作りと称して
今まで怯えていたインドネシアの美容院(床屋はさすがに勇気が足りなかった)に行ってきたのですが
私の髪質・くせ・頭の形などは一切見ずに
ハサミでただひたすらに髪の「束」をざっくざっく切られ
あまりのショックに涙が出そうになりました。
カットはものの "5分" で終了し
まるで60年代の「ジョージ・ハリスン」のようなマッシュルームカットにされたことで
完全に打ちのめされてしまいました……。
人は、髪型ひとつでここまで心が折られるものだということを
初めて知りましたね。
まだ、リンゴやポールやジョンあたりでお願いしたかったものですが
私の場合はもう「ジョージ・ハリスン」以外の何者でもなかったのです。
私の友達は誰一人として、わたしのニュー・ジョージ・スタイルを問題視しませんでしたが
1ヶ月以上たった今でも恐ろしくて恐ろしくて仕方がありません。
そんな、インドネシアのヘアーカット事情。
オススメはしません!!!!