2015年4月3日金曜日

|竹のお勉強


タシクネタ、締めくくりです。


あれ?
そもそも、なんでタシク行ったんだっけ?
というと
竹の勉強をする、という名目で行ってきました。

いや、ね、
私は竹を調査しているわけではないので、本当言うと、単に仲良くなった職人さんの家に遊びにタシクに行ってみたかっただけなんですけど
結果としては、一日中竹とかココナツいじっていました。

動機は不順でしたが、4日間でいくつかテクニックを身につけて帰ってきましたよ。




タシクについてすぐ、朝ご飯食べて、ランブータン食べてリラックスしてると
おもむろにお父さん(ムムスさん)が家の庭に切っておいてある竹を切り始めました。

突然に始まる竹講習。
加工しやすいように雨ざらしにしてあえて湿らせてるそうです。


切った竹はナタで半分に割ります。
そして、さらに2.5cmほどの幅に割って、加工をします。
割った竹は今度は竹の皮と内側を除いて、何枚かにおろします。スライスです。
そしてそれをさらに薄く剥がすのです。


なので、この上の写真でお父さんが持っている竹の一本から
何十本もの竹細工用の薄っぺらい竹が作られます。

たとえば、こんな風に。

これは前回載せたAyakanの小さい方です。
こういう風に薄く割いたものを編んでいきます。

作・トトさん

ひゃぁぁぁぁ 美しい
編みも美しいが、自然の光沢感が素晴らしい。

こちらもトトさんの作品

2つ目の写真はものすごい大きいものなので、竹自体も分厚いのですが
こんな風にして編まれて加工されるのが一般的です。
これ、ぜんぶ手作業ですよ。素晴らしいですね。

持っているとよく分かるこの大きさ。これがトトさん。

パーティなど、大きな式典で使用する
調理後に中に食べ物を置いておき、
フタをして虫除けとして使うするものだそうです。

トトさんの仕事場兼、トト家の台所。
崖の上に出っ張った状態になっていて、屋根裏みたいな作りがかわいい作業場。
こんな景色が外に見える仕事場、最高です。

トトさんの仕事の美しさは
タシクで見させてもらった中でもピカイチでした。
この四角い箱は、お茶を保存しておくためのいれものです。
内側にはココナツの繊維で作られた紙が張り込まれていて
保温性に優れているとのことです。
これがココナツで出来た紙。
初めて見ましたが、すごく薄くて、強度があって
和紙みたい


さあ、ムムス家に戻って竹のお勉強をします。

まずは、2年前にも少し習った、筒状のものを作る時の編み方。
最初さえ覚えれば後は単純に編んでいくだけなので、これをマスターしなければ。

最初に言っておきますが、
私は技法の名前だとか、道具の用語だとか、そういうものは一切聞かなかったし知らないので、説明がとんでもなく野暮ったくなります。


職人さんたちはガイドなど使わずに作りますが、
初心者の私のためにガイドを作ってくれました。
2年前に作っていたこともあったので、この辺はスムーズです。


一周させたものがこれ。
太陽みたいな形になります。
これは簡単なのですが、これを2つ作って、編み込むのですが
これが結構難しくて、言葉の壁もあり、ずーーっと編んだりほどいたり
竹がボロボロになるまで練習していました。



これは練習用に、赤く塗ったものと塗ってないものの2種類で編んだもの。
色が塗ってないと、前後関係が分からなくなるのですが
こうして塗ってあると、とても分かりやすい。

あたしが一発目に編んだやつ。
き、汚い!
編む練習なので、何を作るでもなく編んでいったのですが
単純に見えて、力の入れ加減などかなり難しかったです。

これは末端の始末。
仕上げには短くカットするので口元はちゃんと美しくなります。
……職人さんがやればね!
結局、この赤いやつを作るのに
1人で最初から最後までは作れなかったのですが
4日間で、アホほど作ったので
4目には最初から最後まで自分で出来るようになりました。

達成感に満たされて、写真撮り忘れたけど。


続いて、あまりにも煮詰まってる私に
息抜きとして、お父さんが教えてくれたのはこちら。
ココナツの葉の主脈、LIDI(リディ)を使ってお皿を作ります。

出典 : http://muhlisin.indonetwork.co.id/3850021/hiasan-dinding-dari-lidi.htm

一般的には果物を置いておく皿として使用するのが一般的ですが
伝統的な食べ方や、そういったレストランでは食べる時のお皿としても使われます。
お皿といっても、これ単体で使用するものではなく
バナナの皮を敷き、その上にご飯を置いて食べたりする、そんなお皿です。


これは、簡単でしたよ。


最初に作った輪っかに差し込むようにして最初の行程は始まります。

上の完成品はお父さんが作ったやつ。
右下の赤いものが始め方見本。
左下が私が作ってるもの
後は輪っかを作って編んでいくだけです

アラ、簡単。
ただココナツの主脈は結構固いので、束で編む時は力入れないと曲がりません。
そして力加減を間違えるとポキっといっちゃうので
上の写真は、何本かポキっっていっちゃってます。

右がお父さんので
左が私の
隙間が広い方が綺麗だなと思ったので、そうしました。

末端の始末が
そのままお皿の足となる作りになっていて
とても合理的で、かつ装飾的な構造です。
隙間を広げた分、最後の処理に使う部分が当然短くなってしまったので
そこはお父さんがやってくれました。
裏側
お父さんのやつは裏から見ても完成されてます。

最初の先端の部分の長さが足りてないので、不格好になっちゃいました。
竹の場合は作りたい形に合わせて湾曲させながら編んでいきますが
あえてお皿の形に整形しなくても、この編み方であれば
LIDIにテンションがかかるので勝手にお皿状になってくれます。



うーん、
なんだか、お勉強というより
竹をおもちゃにして遊んでただけですねこれじゃ。

楽しかったので、良しとします!



4 件のコメント:

etoh さんのコメント...

トトさんの竹ざる、美しい!!
日本でこのレベルのものを買おうと思うと、とても高価です。
私も2つ竹ざるを持っていますが、気に入って重宝しています。
ていねいな手仕事とわかる製品は、使っていてホント気持ちがいいですよね。

Kuro さんのコメント...

そうか、「かご」じゃないですね!「ざる」ですね!

本当に美しい手仕事に大変興奮致しました。
etohさんの竹ざるは何に使用しているんですか?食べ物でしょうか?
わたしのでかざるは、未だに何に使うか決まっていませんが、今から使うのが楽しみです!

etoh さんのコメント...

私の竹ざるは、白菜干したり、鍋をするときに野菜を並べたり、夏ならそばやうどんや素麺を盛ったりしています。敷紙をのせて天ぷらとかも。そういえば、食べ物以外には使わないですね。キッチンに置いているからかな。

Kuro さんのコメント...

なるほど。なんだか、どんなざるなのかイメージできます!

ネシアでは日用品はどんどんプラスチックに切り替わって来ているのですが、プラスチックはまだそれなりに高価な素材なので、竹やココナツ等の天然素材で作られているもののほうが安いんです。でもこれからどんどん高価になっていくんでしょうね。

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