今回はそれほど体調崩していないので(今風邪ひいてますが)あまり診療所に行っていないのですが、
去年から今回の一時帰国の前までは
それはもうコンスタントに体調を崩していました。
そんな調子で毎回私立病院に行っているとお金が大変なので
いつも大学の診療所に行っています。
ここはうちの大学の診療所なので
大学の学生であれば200円(去年までは100円)の診察代さえ払えば
薬代は完全無料という金銭面で言えばすばらしい施設なのです。
問題はといえば
この診療所だけでなく、インドネシア全体で言える事なのですが
とにかくドクターに西洋医学の知識が無さすぎる。
西洋医学が発達していなくても
例えば中国のように漢方という独自の医学を持っているだとか
医療費がべらぼうに高いアメリカのようにサプリメントが主流であるとか
そういうネシア独自の医学なり療法なりがあればいいのですが
ネシアに「治療法」と呼べるものが無い中で
西洋医学の知識が無い、しかもドクターにさえそれがないというのは
極めて遺憾であり、さらには患者にとっては大変危険なことである。
ドクターでさえこんな調子なので
一般市民はそりゃあもう酷いもんです。
それでもなぜ私が診療所を使うかというと、
まず安いし
それになにより
私立病院のドクターも大して変わらない。からです。
ドクターがダメなら
自分が気をつけるしかありません。
日本に居る時は、医者が処方してくれた薬を
書かれた指示通りの時間に飲めばいいだけでしたが
私はこの地では、そんな自動的な飲み方は絶対にしなくなりました。
まず、私は診療所にいくと
薬の種類を指定することから始めます。
「痛み止めと解熱剤とビタミン剤
をください」など
こっちで指定します。
薬の飲み合わせはさすがに私では分からないので
(ドクターも分かってないかも)
薬の種類だけを全部指定しちゃいます。
そうでないと、
むやみやたらに抗生物質を出してくるからです。
抗生物質に限らなず薬全体で言える事ではありますが
抗生物質は特に飲みすぎが怖いうえに
飲みきらないといけなくて
そのうえ飲みきった直後にまた体調崩すというループが私のパターンなので
必要も無いのに処方されて疑問も持たずに飲み続けちゃうのが怖いんですよね。
処方してもらったら、ここからもやることがある。
薬の飲み方が回数しか指定してない。
食後か、食中か、食前か
そういうことが書いてないので
必ずインターネットで薬を調べます。
もちろん調剤士になんの薬かは聞きますが
「別に食後でも食前でもいいです」
とか考え無しに言ってくるので必ず調べます。
本当にこういう時はインターネットがある時代でよかったなと思います。
薬の事を調べると、
飲み方だけじゃなくて副作用なんかも全部出てきますから
その辺も全部チェックします。
こうした過程を経てやっと薬を飲む、という感じでして
最近は薬の名前とかも少し覚えてきましたね。
今まさに風邪をひいていると書きましたが
まさに数日前に診療所に行ってきました。
「風邪です」
と私がいうとインフルエンザだと勘違いされて抗生物質をいっぱいだされるのが嫌だったので
ネシア人に一番伝わるように
「Masuk Anginです」
といいました。
「鼻水がでて、喉が痛いです。熱と咳はないけど、くしゃみがでます。」
といい、薬の指定を忘れていました。
そうして出された薬をみてがっかり。
セチリジンとビタミン剤。
セチリジンはアレルギー用の薬なので花粉症とかで出される事が多い薬です。
だっから風邪(Masuk Angin)だってば!
セチリジンなんか飲んでも
当然原因がアレルギーではないので
セチリジン自体にアレルギー性鼻炎を抑える効果があるとしても
もちろん効果は半減で、鼻水も一時的に弱くなる程度で効きやしません。
おかげで夜には扁桃腺が腫れて来て風邪悪化。
悪い事に今は咳が止まらないといった具合。
なんでこういうことが起こるかって
まず、結果しか見てないからだと思うんですよね。
結果(病状)しか見てないから
鼻水・くしゃみ イコール アレルギー
になっちゃうんですよね。
Cold(風邪)とFlu(インフルエンザ)の違いが分からないのも
風邪とインフルエンザは
症状が似ている場合が多いからだと思うんですよ。
でもこの二つの違いは私たちの目には見えないものだから
それが風邪菌なのか、インフルエンザウイルスなのかっていう
原 因 そ れ 自 体 は、
全く無視なんです。
これは、今まで日本で受動的に受け取っていただけの薬が
ああそうか、薬というのは結果(病状)に出すものではなくて
その過程と原因に出すものなのだな
と、分かるようになりました。
くしゃみが出たらくしゃみの薬を飲めばいいってもんじゃない。
そのくしゃみが
風邪が原因なのか、アレルギーが原因なのか
その違いによって薬は変わるはずじゃないですか。
それは違う病気なんだから。
でも、そういう発想を彼らはしないんですよ。
こういう、結果しか見てない
っていうことは決して病気だけじゃなくて
それゆえに、色々な事柄が全部表面的でしかないのです。
これらが単に文化的なものであれば、
それは勝手にこの国に来て住み始めている外国人としての私が、馴染めばいいだけの話なのでいいのですが
医療に関しては自分の体にモロに関わってくることなので
シビアになります。
これは、薬の話ではないのですが
この前、健康診断書を書いてもらうためにこの診療所に行きました。
私が奨学金の申請の書類として必要だったからです。
先生はローテーションで色んな人がやっているので
上の先生とは違う人。
健康診断書のフォーマットについてはなにも指定されていなかったので
自分でフォーマットを作って持って行ったのですが
この診療所は健康診断書の公式なフォーマットを持っていたこと、
基本的には外部のフォーマットは学校の認可がいる(すごい時間がかかる)とのことで、
診療所のものをそのまま使うことにしたのですが
まー簡単。
血圧と色盲検査をして、終わり。
視力と体重と身長はチェックせず自己申告。(しかも自分で記入させられる)
それが問題はここからで
私も実は不安だったのですが
この書類が健康診断書として妥当ではないということで日本の奨学金の団体から連絡がありまして
最終的に再提出という運びになったんです。
そんなわけで、結局前回作って使わなかった自分で作ったフォーマットをプリントして
再度同じドクターに書き直してもらう事にしたんです。
そしたら
ドクター、くっそ不機嫌。
というのも、前回の診断書が没になったのも
ドクターが英語が分からないのに分かるふりをしていたからで
診断の結果がなんだかはっきりしないあやふやなものになっていたから。
疑問に思いながらも提出してしまった私ももちろん悪いですが。
今度は絶対に正確に記入してもらうために
診断書の「回答見本」を自分で作って行って
「コレ通りに書いて下さい」
とお願い。
診断結果は前回のものを使用することに。
ドクターが英語が分からないのに知ったかぶりをするせいで
ものすごい変な書き方
をしようとすると、私がいちいち止めて
私 : 「それは適切な記入方法ではないので、この見本のような書き方をしてください」
と、ドクターに失礼だと思うも
こっちも正式な書類を知ったかぶりでかかれたも困るので
全部書き方指定させてもらったんですね。
前回は自分で書いた部分が多かったので、ちゃんと調べて欲しいこともあり
「すべてドクターが記入する事」
という文章を明記しておいた。なのに
ドクター:「ここはあなたが自分で書けばいいじゃない」
と行ってくるので
私 : 「これは健康診断書なのでドクターが書かないと日本では正式なものにはなりません」
ド : 「そんなの見てないんだから分かる訳無いじゃない」
私 : 「字を見れば一発でバレるに決まってるじゃないですか」
ド : 「なんで私が書かないといけないわけ?面倒なんだけど。」
私 : 「
ドクターが本人が書いた診断書が私には必要だからです。」
などと押し問答をしながらなんとか最後の項目まで書き終えてもらう。
最後に
健康の総合評価の部分で
優・良・可・不可
の4つのレベルがあったのですが
私は過去に病歴も入院歴も手術したこともなければ
体重も血圧も視力もいたって健康なので(データ上は)
私 : 「問題なければここは 優 に○をつくてください」
というと
ド : 「あたし、あなたに 優 なんてあげたくないんだけど」
私 : 「……ドクターのそうだと思われるものをチェックして頂ければ結構です」
というわけで
単なるドクターのドクターとしてのプライドを傷つけたという
個人的な理由だけで 良。
その後もぐちぐちと私に
ドクターである私がこんな面倒くさい書類をわざわざ記入してあげている
ということについて悪口を言い続け
ついには私の人格までをも否定する始末。
私はこの時
マジでこの医者の態度にキレてぶん殴ってやろうかと思いましたが
他の病院で診断書を書いてもらうと高額なので
頭を日本語に切り替え、インドネシア語を理解しようとする脳を強制的にシャットダウンして
なんとかその場を乗り越えました。
そのあとに、
こんな事になっちゃうことに悲しくなってちょっと泣きました。
今回はただの健康診断書だったからよかったですけど
これが例えば、病気の診断でこんな風にドクターがすねて
医者の一時的な感情だけで
不適切な薬を腹いせに処方されるなんてこともあり得ると思えてきました。
そう思ったら本当に恐ろしく思えて来ます。
医者は人間ですが
私が患者であるときは医者であるべきで
ロールプレイングであるべきで
個人的な感情で医者が患者の健康を悪戯におとしめる権利なんて当然あるわけがありません。
そういうことを思って、ちょっと泣きました。
私には
この先生だけが
ちょっと人間的に頭のおかしい人として片付ける事はできなくて
それは性格的や文化的な面からだけではなく
ドクターをドクターたらしめる
医学的な知識が圧倒的に不足しているから
ドクターとして、人間としての二面性を持ち合わせておらず
混同しちゃうんだと思えます。
私がこれを不満に思うのであれば
ジャカルタまで行って、日本人のドクターなり
西洋医学に通じているドクターを探すなりすればいいだけの話で。
しかし思い病気でもないのにそこまで遠出をして大金を出したくない私は、
市販薬より処方薬の方を使いたい私は、
どうにかして上手くつきあって行く他ありません。
なので、薬を飲む前に薬の情報をなるべく手に入れて
自己責任で飲む様にしています。
そう、自分を納得させています。
そして、私は鼻が詰まり、咳が止まらない今日この頃です。