2014年1月16日木曜日

チップと賄賂とFCとマルチ




部屋とYシャツと私 みたいな感じで。
チップと賄賂とFC(フランチャイズ)とマルチ。


心付けの意味のチップ(TIP)って、日本人にはちょっと難しいシステム。
外国に行って自分が払う側になってもスマートに渡せないし
日本で、これを貰う側になっても困る。



予備校生の時に、とんかつ屋で働いていた時に
お客さんにレジで会計の後、
無言でチップを
「ん!」
って差し出された事があって
「え、いやいや、いやいやいやいや!頂けません」
って何度も断って、お互い譲らないまま、
最後は持って帰ってもらったことがあるんですけど。
あれって、もらっても困るし
もらわないとお互いなんかスッキリしないんですよね。笑
どうしたらいいんだ…


チップが当たり前の国の人たちからすると、
チップを拒む日本人っていうがなかなか理解し難いのと同じく
日本人からすると、一体どのタイミングでいくらをあげればいいのかっていうのは
本当に難しいものです。


インドネシアはといえば、
チップはあります。
でも、アメリカのような、チップ主流国(?)のような感じではない。
レストランなんかではチップは出さない。
私が唯一出した事のあるところは
スパ ですね。
マッサージのあとに、マッサージしてくれたお姉さんに払いました。

あとは、アパートのお手伝いさんに
お水のボトル(19L)を買ってきてもらう時も払いますね。
お水がRp.13,000なんですけど、Rp.7,000をチップで渡して、合計Rp.20,000(200円くらい)払ってます。
お水がRp.13,000なのに対して、Rp.7,000って高くないか
って思うかもしれませんが、色んな人に聞いたところ、相場だそうで。
それに19Lのお水のボトルをお店から買ってくるのもなかなか大変なものなので
そんなもんかと。



まぁ、とにかく
チップというのはそんなにメジャーなもんでもない
と、いいたいところなのですが


なにがチップなのか、実の所、線引きが曖昧なのだ。


道路に、よく、
交通整備の人がいる。
交通整備の人たちは、合流する車線で車の流れを整理していたりする。

バンドン含めインドネシアの主要都市は、
道路が常に渋滞を起こしている にもかかわらず
信号はまだ少ないしで
こういう人たちが必要なのである。
そういう人たちにすれ違いざまに車の中からいくらかチップを渡したりする。
でも、彼らは、実は、そういう会社から雇われた人たちじゃないのだ。
自分たちから率先してやっているだけなので、子供がやっていることも多い。
ただ、これはいたるところでやっているので、あげたりあげなかったり。
道路の整備だけでなく、
大きめの屋台の周りの駐車を管理する人たちも同じ。
『駐車、Rp.2,000.』
と書かれている訳でもないのだが、道路整備とはちがってこちらはみんな2,000.払う。
バイクの場合は1,000.。暗黙の了解というやつだ。

駐車を管理してくれる人たちは、バイクやヘルメットが盗難にあわないように(勝手に)見ててくれている。
頼んでもいないのに、勝手に見ててくれているので、そのサービスに対してこれちらもお金を払うというわけ。


ここで、私はフト思う。
これは、心付け、つまりチップだよな。と。
「ご飯食べてる間、車見といてくれて、ありがとう」
とか
「渋滞を整備してくれて、ありがとう」
という。


私は車を運転しないが
例えば、私が、毎日運転してたとして、毎日同じ道路を使ってるとする。
そして、毎日同じ場所で、同じ道路整備の人に、チップをあげてるとする。
毎日、毎日、欠かさずRp.2,000。
そうすると、道路整備のその人は
私の車を、他の車よりも優先的に合流車線で割り込ませてくれる。
そうなってもおかしくない。

実際、込み合ってる合流地点でチップを先に渡しておくと
割り込ませてくれる。

でも、それは、チップか?
これは……賄賂なんじゃないのか?



私が、9月に
教室で電子手帳が盗まれたんですけど
それを警察署に行って、届け出を出そうと思って、ひとまず学校側に連絡をしたんですよね。
「ちょっと、警察署行ってくるので、あとで連絡があるかもしれませんけど。すいません。」
って話をしたら
国際センターの一番エラい人が一緒についてきてくれたんですよね。
自分で行けます。って断ったんですけど、いいのよいいのよ って。
行く前にご飯まで驕ってくれて
最初は、いい人だな~ って思ってたんですけど
警察署に入る直前になって
「うちの教室で盗まれた事は黙ってて。悪評が立つといけないから」
ってことで、私が自分で紛失したことになって届け出を出す事になったんですよね。
私は、お昼ご飯まで御馳走になってるし
ここまでわざわざ車出して連れてきてもらってるっていうのもあるし
もう、なんにも言えないわけですよ。


そしたら、このご飯って賄賂じゃね?
と思うわけです。


そして、こういう小さな事もそうですけど
ネシア人がやさしくしてくれることの一つの理由として
悪いことがおきた時の口止めになるってことを知っちゃったんです。
しかもそれが、かなりしょっちゅうおきる。
「普段優しくしておけば、困った時に皆助けてくれる」
って日本でもよく言いますけど
この場合、そういう事じゃなくね?
これって、賄賂じゃね?
と、グルグルぐるぐるグルグル頭の中を駆け巡ったわけです。

フランチャイズとマルチ商法のやり方が酷似しているのと同じように。


ただ、こちらは法律で線引きされてるんですけど。ただ、明確ではない。
話が脱線しますが
あたしは2年前に昔の友達からマルチに引きずり込まれそうになったときに
論破するためにちょっと勉強したんですよね。

口コミ商法とマルチ商法の境が曖昧なのと同じように
私の中では今、
チップ

賄賂

優しさ
っていうのが全部壁を失ってる訳です。

ま、正直、今回の例は小さな事ですけど
もっと大きな問題の時には
「それって犯罪じゃん…?」
とぐるんぐるんするわけです。


友達には
「そういう理不尽なこととかを、いちいち気にとめてたら
気持ちが病んじゃうからほっときなよ。」
と言われ
まったくもってその通りだ
と思いましたが
これを心の外に置いておく技術が全くない私には
到底無理でして。

だから私はまた風邪をひきました。
チップと賄賂の違いが分からなくて、風邪をひきました。


自分の体と頭が一体すぎて、しかもやたらと素直すぎて、ちょっと困る。

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