2016年4月18日月曜日

そういえば、本出てます。


そういえば、
あまり人に言っていないのですが、

本、出てます。


『旅の賢人たちがつくったアジア旅行最強ナビ 単行本』
丸山ゴンザレス&世界トラベラー情報研究会・編


去年2015年の12月に出まして、
私も3pですが、原稿を書かせて頂きました。


勝手に泊まり込みで弟子入りの旅(p106、107)
インドネシア旅の落とし穴(p234)



なぜ半年も前のことを今更……!とお思いかも知れませんが、
なんとなく出版されて自分の名前と原稿を見ても現実味が無く、
そして最近の私の困ったところなのですが、
「本を出したい」という私の夢が叶ったにも関わらず実感が湧かず
特に人に言いまくるでもなく、
そしてこんな日になんとなく告知になってしまいました。


事の経緯は去年2015年の5月だったかな。
日本に帰ってきて2週間くらいしか経ってなかった時に、
友達の紹介で、この本の編集者であります「丸山ゴンザレス」さんからご連絡を頂き
アジア旅行記を出されるとのことで、インドネシア枠で誘って頂いたのでした。
今はテレビでもよく出演されているそうなので
ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

原稿を今まで書いたことが無い初心者の私に、
書かせて頂いたこと、本当に有り難く思っています。


今私は雑誌の編集者として働いていて、
今でこそ毎週原稿を自分で書いていますが、
入社する前だったので、初原稿といえるものでありました。
出版されるのはそれから半年以上後のことになりますが、
雑誌ではなくて、念願の書籍という形で初めて出版されたのがこの
 『旅の賢人たちがつくったアジア旅行最強ナビ 単行本』
になります。

本は、実際にアジアに住んでいる人や
住んでいた人が、その場所についての原稿を書いていて、
いわゆる旅行記とは違い、実践的な内容になっているので
これから旅をしようと考えている人は
正しい情報も含め、誰も教えてくれない生の情報が知れるので
面白いと思います。


私の担当は3pだけなのですが、
リズムとか、内容の面白さに重点を置いているこのブログの文章とは違い、
とにかく読みやすくて理解しやすい文章を心がけて
何度も何度も書き直ました。
既に読んでくれた友達には、
読みやすくて頭に入ってくると褒めてもらえて嬉しかったです!


内容は、勝手に泊まり込みで弟子入りの旅(p106、107)




に関しては、
既にこのブログでも書かせて頂いている
タシクマラヤという田舎で竹職人の家に泊まらせてもらうという内容から、
メインとしては、このブログではこれから書こうと思っていますが、
スンバ島というバリよりも東側の小さな島で
染めの技術を見せてもらいながら家に泊まらせて頂いた経験のことを書いています。

インドネシア旅の落とし穴(p234)

これは、インドネシアの薬局の話ですね。
いわゆる日本でいう「第一類〜第三類医薬品 」のような
薬の強さについて書いています。
あとは裏テクニックについても少し。
 

ということで、
もし本屋で見つけたら、
是非立ち読みしてください(笑)


今更すぎる宣伝でした〜!


2016年4月11日月曜日

魅惑のアルンアルン一気見せ その②


記事が長くなったので
ふたつに分けています。

「その①」を先にどうぞ。
今ご覧になっているこのページは「その②」です。

幾何学模様(や曲線の模様)と並んで
偶像崇拝禁止のイスラム教ならではの装飾は「文字」
カリグラフィーで美しく模様のように描いたりすることもあるそうですが
ここのモスクは比較的現代的な様式だと思われます。
文字(アラビア文字)まで直線 で描いていて、
一見するとただのパターンだと思って見過ごしてしまいますが
よく見るとひとつずつ違うんです。

間違い探しみたい。
下と比べてみると微妙に違うの、分かります?

これはたぶんアラビックを
崩してる(むしろ整えているというか……)
デザインだと思うんですが、どうでしょう?

バンドンの市長であり、
私の通っていた大学(ITB/バンドン工科大学)の建築学科の卒業生でもある
Ridwan Kamil(リドワン・カミル)氏が設計した
モスク「Masjid Al-Irsyad(マスジッド アル・イルシャド)」も
外観はアラビア文字からデザインされた模様で覆われています。

美術館みたいな見た目ですね。

画像出典 : https://id.wikipedia.org/wiki/Masjid_Al-Irsyad

中の部屋の構造としては、
調べてもちょっと名前が分からなかったのと、
すべてのモスクがそうではないと思うのですが、
入ってすぐに、横に長い通路があり(そこにクロークなどがある)
すぐ目の前のドアをあけると大きな部屋がある。
しばらく歩くと扉があって、その先にもっと大きくて天井の高い部屋があります。
どちらもグリッドが引かれていることからわかるように
イスラム教徒がそこで礼拝を行う場所であることは確かなのですが、
間に仕切りがあるのは何故なのか、
それは恐らくイスラム建築の構造に理由があるのかもしれません。

まず、入り口を入ってすぐの部屋。

中から入り口に向けて撮影したもの。
天井に、丸いところありますよね。
写真だとフラットに見えますが、
真ん中の光が前後左右に漏れる方向を見てもらうと分かるのですが、
これ大きく内側に湾曲してるんです。

そうすると何かというと、
真下に立って普通の音量で会話をしただけでも
部屋中に ぶわわわぁぁぁぁっ と声が広がります。
体育館で「あー!」って言うと壁に跳ね返って聞こえる、
あのコダマのような反響の仕方ではなく、
徐々に徐々に声に広がりがでるような感じで聞こえるんですね。
そうすると、この場所に居ても
(一番置くの部屋で説教をするハティーブからは200mくらい離れた場所)
声が跳ね返って聞こえてくるんじゃないかと予想します。

その、ハティーブがいる一番奥の部屋の天井も
ドーム型になっていましたね。


外から見ると、
"モチを真上から爪楊枝で挿して、すーっと引き抜いた時にぎゅうひがくっついてきた"
みたいなドーム型の形状は、この内部構造があるからだとわかります。

さて、目線を下に戻すと、
 ここが、ハティーブとか、
イマーム(アザーンを行う人)が立つ
建物内の一番正面の部分につきあたります。

正面一番奥、ということは
これを正面とした方向に
イスラム教徒がお祈りを捧げるギブラということです。


もちろん、私がお邪魔したときは
礼拝の時ではないので教徒しかいませんでしたが、
円弧の真下にある階段つきの小さなものがあります。
これが「説教壇」で、ここに登ってイマームが説教するみたいです。

ここでの説教が、ドーム構造が助ける形で
壮大な響きの声となり、この部屋全体に響き、
そして入り口に近い手前の部屋まで響くわけですね。
私のカメラではこのスケール感、伝わりませんが
建物入り口入ってから、この奥の説教壇のある場所まで
成人が普通の速度で歩いて1分以上はかかりますので、
建物内だけで、Sajadah(サジャダ)を1人1枚しっかり敷いても
1万人以上は軽く入るでしょう。

でもね、
私気づいちゃったんですよね。

緑の光が真ん中で四角く遮られていますよね。
その四角の真下、緑の光が始まっているところ、
よーーーーく見て下さい。

エアコンですよ、エアコン。
快適〜!

というわけで、
魅惑のアルンアルン編でした。

現地に居た時は調べようとも思わなかったけれど、
ちゃんと調べてみると面白いことばかりでした。

魅惑のアルンアルン一気見せ その①


さて、
1ヶ月に渡り休みをとってしまいました……。

1ヶ月前の「魅惑のアルンアルン」に引き続き、
やっと、「魅惑のアルンアルン一気見せ」 ということで
アルンアルンのモスクの中を見ていきましょう。

大分記事が長くなったので
ふたつに分けています。

今ご覧になっているページは「その①」です。

真夜中にこんなに普通の人が集まってることは
あまりありません。
(しかも宗教建築内という性格上、夜中でも比較的治安はいいはず)
「AA会議60周年記念」だからこその盛り上がり。


そもそも、外国に住んでいる時は
特に慣れてきてからがそうなのですが、
最初は大量の情報を一生懸命受け取るのですが、
少しずつ言葉や環境に慣れてくると 、
自分にとって必要な情報と、覚えなくてもいい情報を
しっかり分けるようになります。

なので、この写真を撮った時には
ただ目に見える珍しいものに対してシャッターを押しただけで、
別段それが何なのかが気なっていなかったことが、
今になって知りたくなりました。
なので今調べた上でのお話なので
間違っていたら訂正してください。


まずは、外観から。

このアルンアルンにあるモスクの左右に2本そびえ立つ棟。
これが、「ミナレット(Minaret)」と呼ばれる物で
イスラムの宗教建築に付随するものだそう。
町中に爆音で流される「アザーン(お祈りの前の呼びかけ)」が
スピーカーから流れてくるんですね。

空港の管制塔みたい。

さあ、中に入ってみよう。

入ってすぐにあったのが、
"Tempat penitipan sepatu/sandal"
つまり、「靴/サンダル置き場」です。
荷物預かり所はないのに、
靴預かり所があるあたり、ムスリム。
(普通みんなお祈りに来る時は、
仕事場や、自宅などでユニフォームに着替えて手ぶらでくるから。
お祈り前には身体を水で清めてからサンダルでくるので。)


イスラム教のことをよく知らない人でも
イスラム教では偶像崇拝を禁止しているといことは
比較的よく知られている情報なんじゃないかと思います。
つまり、アッラーを形にした銅像であるとか、絵画とか
アッラーやムハンマドでなくても、
そのストーリーとかそれを感じるようなものも駄目なわけで。

そういうわけで、
モスクというものは
中はすごくガラーンと体育館みたいに殺風景なところも多いんですよね。

床にはグリッドが敷かれていて、
そこの1マスの中に各自家から持ってきた布を敷きます。
まず身体を水で洗って清潔にした後に、
清潔な場所でお祈りする必要があるからです。
これはSajadah(サジャダ)という小さなカーペットのようなものなんでけど
大きさが決まっているので、その大きさに合わせてグリッドがひいてあるというわけ。


ここは横ラインだけですが、縦ラインも引いて
マス目になっているところも多いです。



 
 
ただ、こうしたalun alunのように大きいモスクは
もちろんお金がかかっているわけで、装飾的な部分も多いんです。
でも偶像崇拝が禁止されているので、
いわゆるキリスト教の教会のように、
マリアさまの絵が書かれたステンドグラスや聖人の銅像があるというわけではなくて、
幾何学の直線的な線の組み合わせで出来た模様で装飾が施されています。

すべてのイスラム建築が
こうした幾何学模様で作られているわけではないそうですが
こうしたものは「アラベスク」というそうです。
「アラベスク」と聞いて
♪ラシドシラッ ラシドレミッ レミファソラッ ラシドレミッ
が頭に流れてきたのは私だけではないはず。


夜のアブさん
こんなに装飾的なモスクは
バンドン中探してもここくらいだと思います。
 
基本は幾何学ですが、
中に描かれている絵は
植物的な曲線ラインでも描かれていますね。

基本的に幾何学の模様は
繰り返しのパターンが多いですよね。
モスクの入り口の門を
「ビシュターク」と呼ぶそうです。
ビシュタークも美しいタイルなどで
模様が構成されています。
(何度も言うようですが、こんな綺麗なモスクはまず無い)
アップ写真

偶像崇拝禁止のイスラム教で「装飾」と呼べるものが
もうひとつあります。

その②につづきます!

3年ぶりです

ご無沙汰しております、Kuroです。 アーカイブとしてしか機能していないこのサイトですが、 それでもある程度の方が見てくださっているようで有難い限りです。 インドネシア在住時の2年半の間は、ほぼ毎日更新しておりましたが 日本での暮らしに忙殺されて、 書こう書こうと...