2013年9月13日金曜日

工場見学



「明日、下級生が工場見学に行くからクロも行きたかったら行っていいよ」
ってことで
正直やることあって腰も重かったが、こんな機会もないので思いきって行ってきた。

今回の話は少し専門的な話になるので
興味の無い人は読んでも面白くないかも。ということを先にお伝えしておきます。


集合が朝の5時半。
早い。
インドネシア人は本当に朝強い。
4時半に目覚ましかけたのに全く音に気付かず、ハッと目を覚ましたら5時半だった。
6時出発だったので、急いで着替えて家をでる。
なんとか6時に学校に着くことができた。

2年と3年生のプロダクトデザインの学生で
私が知ってる人は2、3人。
とはいえ、いつも学校に行ってるので、なんだかんだ私の事を知ってくれてる人が多かったので
「えっ、何この日本人」
とならなくてよかった。


知らない人たちに囲まれながら、何食わぬ顔でバスに一緒に乗りボゴールへ。
3時間ちょっとかかりましたが爆睡してたらつきました。

場所はRAHAYU SENTOSAという、インドネシアのバス会社。
残念ながら工場の中の写真は一切禁止されていたのでとれませんでしたが
いやぁ、面白かった。

とりあえず着いてすぐにパワポで説明を受けるもさっぱり分からないので
うつらうつらと眠くなる。
最後にITBの学生に向けて、社会人・デザイナーとしての5ヶ条を教えてくれたのだが
それが印象深かった。残念ながら3つしか覚えてない。(オイ

1,Do your best ベストを尽くせ

2,Never give up 決して諦めるな

3,I'm special 僕は特別だ。

う〜ん、3つ目が興味深い。

これが終わって昼飯を御馳走になったあと、休憩時間暇すぎて池を観察していたら
「こ、こいつはまさかのあいつではないか!?」
と思い手を突っ込むと群がってきた。
そう、こいつは「ガラ・ルファ」!
別名「ドクターフィッシュ」である。
今まで色んな場所で「やってみたいな~」と思ってたけども高くてやれたことがなかった。
まさかボゴールでドクターフィッシュの体験ができるなんて。
そんな訳でバス会社の工場に来て
ずーっと池に手をつっこんでいた日本人を怪しい目で見てくるインドネシア人に囲まれてお昼を過ごしました。
日本帰ったらこいつら買いたい。飼おう。


そして午後、ついに見学。
私は日本で自動車のSUZUKIの工場と、YAMAHAの単車、管楽器工場を見に行った事がある。
…が
インドネシアの工場はすごかった。

めちゃめちゃ手作り感満載だった。
鉄板をカッティングしたりプレスしたりするところまではいい。
溶接もなんか甘い気がするけど、まぁオッケー。
皆、服装が私服にクロックスとかで「大丈夫かな」とソワソワしたけど、まぁ、うん。
小さなパーツたちがだんだん大型バスへと変化していく工程を見ながら
ありえない工程が目に入ってきた。

ロックパテで広範囲のアールだしてる…
車とバスだとパーツ名違うのかもしれませんが
車で言うところのボンネットのようなところ。
バスのフロントガラスとフロントグリルに挟まれたところです。

学生の時に、散々教授に
「パテは傷埋めにだけ使え。パテで造型するな」と怒られていた身としては
ものすごいショックだった。

フロントグリル周辺の角なんかは、5mm程の木の板とパテで造型してて
「これどっかにぶつけたりしたら一発で木の板ごと壊れるじゃないか」
と思った。
バスのフロントだろオイ!と心の中で叫んだ。

エポキシ樹脂の溶剤も撹拌しきれてなくてソワソワ。
「そんなかき氷のシロップ用の杓子棒で混ぜたら撹拌しなくないっ!?」


私の記憶と私の中の常識的な車の作り方としては
形はプレスした時点で作り上げないといけないはず。
そこに錆び止めを塗って、下地のサーフェイサーを吹いて、色を塗布する。そのあとにクリアなりなんなりを吹き付けるのであったはず。
私の辞書には少なくともパテでフロントを造型する工程はない。
鉄の加工技術がまだ追いついていないのだろうが
インドネシアのバス会社としてはトップクラスの工場で、こんなクラフト感("クラフト感"で済めばいいけど)満載なことやってるのかとビックリした。

そして、塗料を吹き付けている部屋を外から眺めると
男の人が一人、これまたジーパンとTシャツと簡易マスクで吹き付けていたが
「ああっ、あそこダマになるっ」
「ああっ、すごい無駄な吹き方してるっ」
と、学生時代、自分の作品のはいつもギリギリで酷い塗装してたくせに
人のものになると突然気になり始めるものである。


仕上がりを見ても
「あーパテで造型しちゃってるのがすげぇわかる仕上がりだなぁ」
と、まぁ、自分がしょっちゅう酷い塗装をしていたからこそ気付くのだ。

今のモチベーションで何かを塗装したら、かなりいい塗装ができるに違いない。



そんなことを思いながら
工場の中で稼働していた運搬用のトラックが
ほぼ骨だけで、ドアもガラスもなく、鉄でできたレゴブロックで作ったみたいな車なのに
メルセデスベンツのロゴマークをひっさげながら走ってるのをみて
なんかどうでもよくなってきたのでした。


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