2015年3月29日日曜日
take, drink, eat.
インドネシアは西洋医学の知識がもうそれはそれは低い上、
インドネシア医学のようなもの、民間療法的なものも
私から見ればMythosでしかないように思えるものばかりです。
それに加えて薬が「医薬品としての薬」と「体にいいもの」のふたつが
この地でごっちゃになっていることに、なんだかイライラしてしまうのです。
なんかもうすぐイライラしちゃいます
そうした薬への意識の違いというのさえも
私は言語から読み取る事ができるのではないかな、と思うのです。
日本だと
薬は 飲む ものですよね。
「薬飲んだ?」「ちゃんと薬飲まないとだめよ」なんていいますよね。
英語だと Medicine は、 take するものです。
液体の薬でも、錠剤や粉薬でも
“take a medicine”です。
この場合の take は、摂取する、服用するということになると思います。
インドネシア語だと、Obat(薬) は Makan(食べる) ものなのです。
“Sudah makan obat?”(直訳=もう薬食べた?)
“Minum obat”(=薬を飲む)と言っても通じますが
私が日常的に友達の耳から聞くのは、薬は”Makan”(食べる)が使われます。
日本語 飲む
英語 摂取する
ネシア語 食べる
こういう違いがあります。
英語が、
西洋医学が生まれた中で
Medicineに対して、eatでもdrinkでもなく take を使うようになったことは
なんとなくその背景が想像できるような気がします。
ご飯を食べるでも、飲み物を飲むでもなく、薬を服用する。
日本が薬を 飲む ことにフォーカスするようになったのかは
粉薬の流れなのかもしれませんが
実際のところ私には分かりませんし
インドネシアが薬を 食べる こととしたことも
ここに、「薬のあり方」「薬のポジショニング」が見えるような気がしているのです。
いつものように話が逸れますが
昭和初期の小説を読んでいると、
「煙草を呑(飲)む」
という表現が出てきます。
現代では廃れてしまったこの「呑む」言葉。
煙草を吸う行為ソレ自体に変化はないと思うのですが、そこに受動する私たちに何か変化があったのでしょうか。
インドネシアでは「rokok(煙草)」に "+me" をつけて動名詞にすると
「merokok(煙草を吸う)」という言葉にすることができますし、とても一般的な言葉ですが
「minum rokok(煙草を呑む)」という表現もまだ頻繁に使用されています。
調べてみた所、英語では drink a cigarette と言っていたという事はなさそうなのですが
どうやらヒンドゥ語では सिगरेट पी रहा हूँ といって、drink a cigarette の意味になるそうです。
煙管と紙巻きの違いなのかなぁ?
そういえば「一服する」の「一服」は
煙草にも薬にも使われていますね。
分からないけど、こういうのって全部繋がってるんだろうな。
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