2013年7月6日土曜日

そんな事言ったら怒られる


あえて誤解を恐れずに言うと
「日本が先進国」で
「インドネシアが後進国」
であるということは
インドネシアに住んでなくたって分かる事。
ニュースでも本でもインターネットからでも
それは皆が知ってる事。

でも、住んでると
それを意外なところで本当に"実感"する。


例えば
すっごく小さな事だけど
こっちに住み始めて「あ、そうか!」と思ったことがある。
インドネシア人が日常的な電子機器を家で使うのに
コンセントの変換プラグを使ってるということ。

「あ、そうか。
自国のメーカーがまだ少ないから日常的に変換プラグを使わないといけないのか。」

って初めて知った。

もちろん自国のメーカーが少ないだけじゃなく
インドネシアのマーケットだけのために他国で作られたようなものも
かなり少ないだろう。
"変換プラグ"なんて、
日本人からしたら"海外旅行に行くために初めて買うもの"であって
それが日常的に使われるものじゃない。

ほぼ毎日皆持ち歩いてるのを見て
「そうか、発展途上国はこういうことになるのか。」
って初めて思いが及ぶのである。
こういうのは、現地で生活してみないと意外に気付かない。



まぁ、こんなのは表面的には些細なことで
私が最近一番ビックリしたのは
「インドネシア人が海外に行く時」の障害の多さ。
(このインドネシア人とは、インドネシア国籍の人の事を指してます。)
もちろんインドネシアだけじゃなくて
発展途上国の多くがそうに違いないけども。

私が
「えっ、そんな事しなくちゃいけないの!?」
と驚くと同時に
「えっ、日本はしなくていいの!?」
とインドネシア人は驚くわけです。

私はまぁまぁ海外旅行に行ってますが
行った国全て
1ヶ月以内の短期滞在なのでビザは必要なかった。
調べてみると、日本人はアジアとアフリカの数カ国はビザが必要だが
全体で見ると、観光であれば必要がないところがほとんど。

今まであたしが行った国の中で唯一観光ビザの取得手続きが必要なのがインドネシア。
入国の際はたとえ滞在が1日でも必須です。

まぁ、実際お金払うだけだけなんだけど
他の国はビザ必要ないのに…なんなの、面倒くさい!!
と思っていたが
こんなことを言ったら多分インドネシア人に怒られるな。
というくらい
インドネシア人が国外に出る時は
もっともっともっーーーーと面倒くさいという事を知った。



例えば…
・パスポートは5年間のみ
・インドネシアはほぼどの国に行くにもビザが必要
・銀行の残金が少ないと出国できない
・ビザを申請する時に必ず大使館で「面接」がある
・入国審査が面倒
なんてことがある。


|インドネシアはほぼどの国に行くにもビザが必要|

まず、アジアの数カ国を除いて、ほぼ何処の国でもビザの取得が義務。
もちろん有料。
そして、行く国の大使館から許可を得る必要があるので
何日も前(1ヶ月以上のこともある)からやらなくちゃいけない。
(ちなみに日本はアジアとアフリカの数カ国以外で短期間であれば
ビザ不要な国がほとんど)

どういうものなのか想像しにくかったので
日本に行く友達に申し込み用紙を見せてもらったら
アメリカに行く時にやらなくちゃ行けない
ESTAのような内容でした。
しかも申請はインターネットでは出来ず、
大使館に最低でも2度通う必要があるので
該当の大使館近くに住んでない人はものすっごく面倒くさい。
ちなみに日本の大使館はジャカルタにしかないらしいので
バリなんかに住んでたらもう大変。

蛇足ですが、インドネシア国籍の場合は
ESTAさえ申請できない。
ESTAっていうのは、アメリカのビザの免除プログラムであって
加盟国しかESTAを申請出来ない。
つまりそれ以外の国は「ビザ」を取得する必要がある。
今までESTA面倒くせーと思ってたけど、ESTAさえ申請できないのかぁ
と知って、「面倒くせーとか言ってたら怒られんな」と思った。



|ビザを申請する時に必ず「面接」がある|
これもビックリ。
人にもよるらしいが大体10分15分くらいだそう。
例えばドイツに行くときは、ドイツの大使館に行ってビザを取得する。
そこで面接をするわけだが
大抵の場合すっごく「意地悪」なんだって。
泣かされる人も少なくないのだとか。
でも、それはインドネシア人が面接官だった時の場合。
現地からスタッフの場合は普通らしい。
友達の推測ですが、
インドネシア人が面接する場合
同じ国の人間だから緩くなりがちだからじゃないかとのこと。



|銀行の残金が少ないと出国できない|
これ、一番びっくりした。
ビザ申請の課程だったと思いますが
銀行の残高を調べられて、条件に満たないと入国できないんだそう。
友達の話によると
日本円で、日本は10万円、アメリカに行くには20万円の残高が必要とのこと。
不法滞在の原因になるからかな…。



|入国審査が面倒|
私は帰国の日を出国前に決めずに片道旅行券だけで入国することがたまにありますが
それはインドネシア人がやるのはほぼ確実に「無理」らしい。
インドネシアに3回、片道切符だけで入国してますが
それについて入国審査管に聞かれたのは1回だけ。
その1回も「帰りの切符は?」と聞かれ「まだ取ってない」。
「いつ頃帰る?」「7月を予定してます」
このやり取りだけでそれ以上聞かれる事も無く入国できた。

銀行の残金が規定以下で入国出来る場合もあるそうだが
その場合は、現地の人間からの招待状と、政府からの許可の手紙が必要ってことで
条件がかなり厳しい。

それから、入国審査。
最近は、入国審査で色々聞かれる事って少なくなったと思うんですけど
たぶん、ICパスポートになってからじゃないかと思う。
私が高校生の時くらいまでは
入国審査のスタッフが色々と質問してきましたが
最近は黙ってても通してくれることが多い。

インドネシア人は、必ず何個か質問されるらしいです。
ちなみにインドネシアのパスポートはまだICパスポートじゃないので
やっぱり関係あるのかも。

しかも、9.11以降はイスラム教徒が海外に行くのがすっごく難しくなったのが現実。
特に、名前に「ムハンマド」っていう名前が入ってたりすると(いっぱい居ます)
イスラム教に馴染みがないの国の人間でも一瞬で「イスラム教徒だ」と分かるので
入国審査はかなり厳しくなるとのこと。
下手をすると別室に連れて行かれるらしい。



|パスポートについて|
これらを考えると、
日本のパスポートって優秀なんだな。と気付く。
どこか無意識にパスポートなんてどの世界も同じ。なんて考えていたのだが
国によって違うことを知る。
雑に言うとパスポートが優秀であると、ビザを取らなくてもいい国が増えるわけで。
「世界のパスポートの規制」をまとめたサイトがこれ。
『International Visa Restrictions』
https://www.henleyglobal.com/citizenship/visa-restrictions/

ポイント制で
どこの国のパスポートの自由度が高いかをランキングにしている。
その自由度とは、ビザ無しもしくはアライバルビザで他国に入国できるかとか
そういう項目から成っている。
日本は165ポイントで5位。
スペイン、ノルウェー、ポルトガル、アイルランド、ニュージーランドと同点。
アジアではダントツ。
インドネシアはエントリーされていないのか、ランク外なのかわからないが
とにかく入ってない。
もし、ランク外なのだとしたらアフガニスタンよりも下ってことか…



今まで当たり前過ぎて
「他の国はどういうシステムになってるんだろう」
って思いもしなかった事が
この国に来て色々発見することが多い。

インドネシア人のパスポートを見せてもらった事で色々と話が聞けて面白かった。
さすがに載せられないけど、やっぱ違うもんですね。
世界中のパスポートの中身見てみたい。
他の国のパスポートなんて見る機会ないので、面白かった!

2 件のコメント:

きゃなん さんのコメント...

去年友だちの日本滞在ビザの申請を手伝ったんだけど、すごいめんどくさかった!!
中国の人も海外に行くの大変みたいよ
銀行に貯金が無いとやっぱ行けないし、学歴やら住民票やら日本からの招聘状やら招待主の所得証明書やらなんやらすげーめんどくさかった
でもちょっとずれて台湾人だとそんなにビザ申請厳しくないんだって
面白い

まあそんなこともあって、日本人ってすごいお得な民族だと思いました
先進国ってのもあると思うけど、日本のビザに対する信用を先人達が頑張って獲得してきたんだろうな、と思ったよ
海外へ行く日本人はそのことちゃんと認識しつつ行動しなきゃだよな

Kuro さんのコメント...

文中のリンクの『International Visa Restrictions』見ると、中国92位だもんな。スコアで言ったら日本の4分の1。台湾はビックリするほど別の場所らしいね。台湾人の友達いるけど、たまに中国人っていうと「チガウヨ!タイワンジンダヨ!」ってめっちゃ怒るもん。…台湾ってまだいちおう中国だよな?パスポートって違うの?

そうねぇ、まぁ海外まで行って意図的に何かやらかそうなんて考えない民族だからなぁ。日本人には日本が一番住みやすいよ…快適すぎる…おこたに入りたい…

3年ぶりです

ご無沙汰しております、Kuroです。 アーカイブとしてしか機能していないこのサイトですが、 それでもある程度の方が見てくださっているようで有難い限りです。 インドネシア在住時の2年半の間は、ほぼ毎日更新しておりましたが 日本での暮らしに忙殺されて、 書こう書こうと...